カセットビースト(Cassette Beasts)をクリアまで遊んだのでレビュー。
Nintendo Switch、PC、XBOX、スマホで遊べる模様。
筆者はスイッチ版をプレイしました。
久々に素朴なコマンド選択RPGをやったら、
とても良作で面白く遊べました。
カセットビーストってどんなゲーム?評価や感想
一言で言うとポケモン風のロールプレイングゲームといった感じの作品。
ポケモン風の面白さはしっかりありつつ、
独自のポイントにも光るものが沢山ある、
非常によくできたRPGといった感想。
道中で出会った敵をカセットに記録することで自分が変身できるようになり、
最大6個の手持ちカセットをやりくりしながら冒険する。
コマンド選択とターン式のオーソドックスな戦闘システムで、
ポケモンのようにモンスターにはそれぞれ属するタイプによる相性がある。
ポケモンは基本的には1対1の戦闘が多いのに対し、
カセットビーストでは自分と仲間のキャラのモンスターが1体ずつと、
敵が2~3体といった戦闘が多い。
カセットを育てて成長させると覚える技は、
自由にステッカーとして付け外し出来る。
使わずとも常時効果が発揮されるパッシブ技などもあり、
これらを基本的には最大8枠まで試行錯誤して付けられる。
他には仲間のモンスターと合体することで見た目が変わって強くなれる、
フュージョンというシステムがあり、
これとステッカー関連の自由度がポケモンにはない独自の面白さと言える。
フュージョンすると2匹のモンスター両方のタイプと技、パッシブが適用されるので、
弱点を補い合うような技構成にするために考えるのが楽しい。
突如迷い込んだ異世界からなんとかして元の世界に戻りたくて異世界を冒険する、
というのが物語の大筋なのだが、
同じようにして異世界に来た者たちで集まってできた町があり、
そこで出会う仲間たちとの話が上手くメインの流れに集まっていく。
仲間たちは愛着がわくいい奴らばかりだし、
物語の質も翻訳の質も高めだったと思う。
ストーリーを進める順番も探索もかなり自由度があり、
おつかい感をあまり感じないところも良かったポイント。
他のレビュアーも言っている通りBGMが素晴らしく、
要所で流れる歌声付きのそれがかなり良い。
町だと室内に入ると歌声が流れて、
外に出ると声無しバージョンにスムーズに切り替わったりしていい感じ。
重要なボス戦やフュージョン時の歌声も戦闘を盛り上げてくれる。
クリア後の要素もあったりしてボリュームは十分。
ストーリーのクリアまでは20~30時間くらいかかるのではないだろうか。
難易度はそれほど高くないが、
設定で途中からでも難しくも簡単にもできる。
本家ポケモンと比べるとモンスターの数は少ないが、
種類が少ないなぁとはあまり感じなかった。
余談だがフュージョン後のモンスターグラフィックの数の多さにビビる。
全部試して図鑑コンプリートとかはあまり現実的じゃなさそう。
不満点や問題点など
ほとんどない。めちゃくちゃ傑作。
最初はマップの移動が遅く感じるが、
ゲームが進むとダッシュ機能の追加や性能アップで速くなる。
人によっては戦闘のテンポがだんだん気になってくるかもしれない。
アニメーションオフとか倍速機能とかがあれば良かったかも。
あとは一部の再行動系パッシブが強すぎる点が気になるくらい。
使わなきゃいいという意見ももちろん一理あるが、
出す技の強さによって再行動率が調整されているパッシブもあるので、
全部そうやって調整されていた方が良かったと思う。
ただしこれについては戦闘テンポの問題とも関係し、
簡単に戦闘を終了させる手段があってもいいという意見もわかる。
近年ではマリオの「ステージをクリアしたことにする機能」に結構筆者は驚いたが、
それに似たような「この組み方を選べば戦闘に勝利する技」みたいなのを、
どこまで許容し実装するかはバランスが難しい部分だと思う。
技やパッシブの組み合わせを考えて強くするのはこのゲームの楽しさの大きいところなので、
最適解みたいなのに気づいちゃってもぶっ壊れないようにはしてほしかったな、
というのが個人的なバランスへの感覚。
とはいえ不満点も非常に少なく3000円以下のゲームとは思えない完成度。
ポケモン好きならかなりおすすめできるし、
普通のターン制RPGとしてもとても良くできているゲームです。