ゼノブレイド3のレビュー 評価と感想をクリア後に記述

Xenoblade3(ゼノブレイド3)のレビュー 評価、評判や感想をクリア後に記述 ゲーム

Nintendo Switchを代表する大作RPGであるゼノブレイドシリーズの、
Xenoblade3(ゼノブレイド3)をクリアしたのでレビューを書きました。
ゲーム開始時に説明される部分以外のネタバレは無しで書いてあります。

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一見異質な世界観で開始するストーリー

ケヴェスとアグヌスという2つの勢力が争う、
アイオニオンと呼ばれる世界。

人々はコロニーという大小様々な規模の集団のいずれかに属し、
彼らは日夜戦いに明け暮れています。
相手の勢力の命を奪うことで、
それを自らの命に変換する命の火時計の存在によって、
闘争を強制されているのです。

彼らはある程度成長した少年少女の姿で生まれ、
寿命がきっかり10年、若い姿のままでその生を終えます。
10年を全うした者には成人の儀と呼ばれる儀式での称賛が与えられるので、
それが短い人生の目標の1つとなっています。

主人公ノアとその仲間たちは、
ケヴェス側に属する9期生。
正体不明の勢力の物資を巡ってアグヌスの兵士と邂逅するところで、
物語は動き出すことになります。

この世界の人々の人生の概念は私たちのそれとは大きく違い、
置かれた環境も生まれながらに過酷なものであると言えるでしょう。
はっきり言って異様で非現実的な世界が突然展開されるわけです。
彼らの当たり前や普通を理解して慣れていくまでには、
戸惑いを感じ時間が必要になると思います。
つまり違和感が払拭され世界に没入するのに時間を要するかも知れないということです。

物語が進めばその異様な世界はなぜそうなったのかも徐々に明らかになり、
何を描きたくてこういう世界設定にしたのかも理解できます。
目的地へ向けての長い旅路とそれを通した少年少女の心の成長、
自分を生きること、前へ進むことの意義や尊さ、恐ろしさなどが描かれていくのです。

この余りに異常な世界の行く末やノアたちの辿る道の先が気になり、
ついつい使える時間のほとんどをつぎ込んでぶっ続けでクリアまで遊んでしまいました。

筆者のプレイ時間はストーリークリアの時点で100時間ほど。
メインストーリーとは違う豊富なサブイベントクエストをこなしつつ、
広大なマップ探索や各地に点在する強力なユニークモンスター探しなど、
脇道に逸れに逸れてなお全てを遊びつくすに至らず、
取りあえずクリアだけ先にするかと考えた後の、このクリアタイム。
ストーリーだけを追うなら60~70時間程度でクリアできたかも知れません。
ボリューム満点で久しぶりにガッツリ骨太なRPGを遊べたなという気持ちです。

複雑さはあるが過去作から磨き上げた戦闘やシステム

戦闘システムは複雑であると言えます。
基本は敵に寄ると繰り出される一定間隔でのオートアタック、
それを繰り返すと使えるようになる手動でのアーツによる攻撃。
アタッカー、ディフェンダー、ヒーラーという役割が存在し、
役割に合った行動を取ることで、
アーツより強力なタレントアーツを発動する為のゲージが溜まります。

クラスというキャラが就く職業のようなものによって使えるアーツが決まり、
同じクラスを使い込んで習熟していくと、
一部のアーツを他のクラスになっても使うことが出来るようになります。
これをマスターアーツと呼び、
通常のアーツとは違うボタンで発動出来て、
両方を同時に融合させて放つことも可能になっていきます。
アタッカーなどの役割はクラスによって変わることになります。

敵の体勢を崩すブレイク効果のあるアーツを当てて開始する、
コンボと呼ばれるシステムも存在します。
さらに対応するアーツを当ててブレイク→ダウン→ライジング→スマッシュと続き、
状態に応じて様々な効果があります。
コンボルートは他にもあります。

コンボやキャンセル、役割に合った行動を取るなどで、
チェインゲージと呼ばれるものが溜まっていきます。
これがいっぱいになると仲間全員によるタコ殴り、
チェインアタックが開始できます。

さらに特定の仲間同士で2人1組で発動できる、
インタリンクというシステムが今作での新しいシステムです。
融合アーツを使って発動レベルを上げれば、
より強力な状態で使えます。

可能な限り簡潔に書いてこれで全部です。
もちろんゲーム開始時に全ていきなり使えるわけではなく、
物語が進むごとに少しずつ、チュートリアル付きで解放されることで、
複雑なシステムで混乱しないように配慮されてはいます。
それでも全てを理解し使いこなすのには時間がかかるでしょう。

ただしRPGとされていることもあり、
これらをスピード感のある戦闘中に十分に使いこなせずとも、
ゲームクリアが出来ない難しさではありません。
というのも、本作はこれらの要素を十分に使いこなすよりも、
モンスターを倒すなどして経験値を得て上がるレベルのほうが、
強さに与える影響が大きいからです。
戦う敵とのレベル差がかなり影響するので、
戦闘が苦手な方でもレベルさえ上げれば大体なんとかなったりします。
これはメリットでもデメリットでもあると言えるでしょう。

各種説明チュートリアルはTIPSという項目でいつでも再確認できます。
戦闘以外も含めた全ての項目は膨大な量で、
要素の多さを表しているかもしれません。

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フィールド探索を大きなメリットに変える成長システム

目的地までの最短ルートが光ってナビゲーションしてくれます。
前作までで陥ることがあった、
マップの高低差や複雑さなどが原因の迷子が無くなりました。
これによりストーリーをさっさと進めたい場合はどんどん先へ行けますが、
各成長システムのおかげで、
関係ない場所も探索してみようかなと思わせる作りになっていると思います。

フィールドの各地には宝箱の他にも、
コレクションアイテムが沢山落ちています。
これは各地の人々に色々な種類をまとまった数で要求され、
それに応えることで絆が強くなり、
仲間全体に様々な効果があるパーティスキルが発動していきます。

辺りをうろつくモンスターからは素材アイテムがドロップし、
これでキャラクター達が強化できるジェムが作成可能です。

モンスターの中には特に強力な固有の名前を持つユニークモンスターがおり、
彼らを探し出して倒すことも楽しみの1つです。

アクセサリーと分類される装備品でもキャラの強化が可能で、
これは各地の宝箱やショップ、ユニークモンスターの討伐などで入手可能。

主人公たちが就くことのできるクラスも、
ストーリー上で強制的に入手できるもの以外に、
各地のサブクエストを十分にクリアすることで使用可能になるものも存在。

プレイヤーが弱いころには敵わなかったユニークモンスターも、
ぼちぼち倒せる奴らが増えてきた頃に入手できるクラスに、
倒したユニークモンスターの技が使えるようになるものもあります。
これにより筆者はユニークモンスター捜索行脚が始まってしまいました。

こいつが仲間になるのか!という感動の為の1つの選択肢

RPGにおいて共に旅する仲間はゲームを盛り上げてくれる大切な要素です。
初めは敵対していたあいつが、力尽きたと思われていたあいつが、
頼りなかったけど本気出して覚醒したあいつが、
仲間になった時の感動は言葉だけでは言い表せないものがあるでしょう。

しかし最近のRPGはそんな感動をもたらしてくれるものが多くありません。
ゲームの公式サイトなどで最初から仲間になる数人全てが公開されていたり、
ゲーム序盤でそろった数人が最後まで同じメンバーだったりが多いからです。
最初に作品に興味を持ってもらう為の餌として、
こんな外見でこんな声ですよとキャラをズラッと並べて知らせるという理由もあり、
手塩にかけて成長させたメンバーが離脱する悲しみを生まない為という理由もあり。
途中で姿が変わったりして驚きや感動の成分を補強してあるパターンもありますね。

筆者は、誰が仲間になるんだろう……や、
こいつが覚醒してこんな姿で再加入した!などが感じられない作品は寂しい。

今作にはヒーローというメンバー枠があります。
これは旅先で出会う様々な人々が主人公たちの仲間となり、
仲間になった奴らは好きな時に呼び出して同行させられるというものです。
メインの仲間と同じように戦闘に参加してくれるし、
ストーリー上のつじつまが合わない場合以外は入れ替えも自由で、
彼らは仲間になる際に新たなクラスの使用権を引っ提げて加わってくれます。
これにより、こいつが仲間になってくれるのか!という感動を実現しているのです。

注意点としては、使用可能クラスが選択できる画面で、
まだ未開放のクラスがシルエットで表示されること。
カンの良い方はこのシルエットを凝視すると仲間になる奴が推測出来たりします。
更にシルエットにカーソルを合わせてクラス詳細を覗くと、
クラス名や使用可能アーツやスキルまで分かってしまうので、
さらに正体を知る確率が跳ね上がります。
仲間になるキャラが分からないドキドキを楽しみたいなら、
わざと詳しく見ないことをおすすめします。

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不満点や問題点

ゼノブレイド3はよく出来たRPGです。
筆者はとても楽しく遊ばせてもらいました。
基本的にはかなりの高評価だと言えます。
出来の悪い部分はあまりないです。
その上で数少ないここはちょっと……という点を書かせていただきました。

まずアクセサリーのソート機能がない点。
あるのかも知れないですが筆者には分からず。
クラスを割と頻繁に変更することになるのですが、
その度に役割に合ったアクセサリーに変える時、
入手順にズラーっと並ぶので古くても便利なものにカーソルを合わせるのに、
時間がかかって面倒なこと。

次にイベントシーンで、
違うフィールドで展開されるイベントに変わる時にロードが入ること。
長すぎるわけではないですが、
ゲームのイベントシーンそのものが長いので、
結構気になることがありました。
これは修正できるのならしているでしょうし、
指摘するのは酷かもしれません。

チェインアタックを使うと戦闘のスピード感が削がれる気がするのも、
少し残念な点です。
どう攻撃を繋げれば効率よくダメージが出せるかを考える楽しさはあると思うのですが、
使わずに勝てるなら面倒だから出さずにゴリ押そうとしてしまったり。

ここから先はかなり個人的な好みによる意見であるということを断っておきます。
更に全くの素人の意見でもあります。
いいゲームであるがゆえに、
更にここさえ好みなら神ゲーですと言いふらせたのにという感じ。

ストーリーの流れは良くて結末は気になるものになっているのに、
時々セリフや見せ方がクドいところ。
主人公たちとその敵の思想の違いから来る問答や、
感情的なセリフの応酬などのシーンにおいて、
毎回毎回心の中を1から10まで細かく喋らせ過ぎたり、
不自然なほど道化じみた振る舞いをするキャラが結構居たり、
クドく感じる部分がありました。
こないだの敵とも似たようなやりとりしたやん的なのとかも。
狂気や悲壮感、凄みを表現するのに、
キャラを発狂させて喚かせるのもいいけど多すぎる。
そういうキャラはその後に急に改心するのも違和感が強くなりますし。
もっと静かに淡々とアツい演出が多くても良かったです。

やはり色々な敵と決着が着くゲーム終盤になるにつれてどうしても、
この傾向は強くなっていくように感じました。
過去作においてもそうだった気がしますが、
個人の好みにもよるので難しい部分だとは思います。

キャラの感情やシーンを感動的に伝える方法は、
必要以上に長く大げさに喋らせる以外にもたくさんあると思うのです。
キャラクターの動きや目線やしぐさ、そこに至る迄の伏線、
そのシーンの前後の「間」や状況、カメラのアングルやBGM切り替えなど。
それらを乗せた上での、
可能な限り短く凝縮したセリフの一言一言こそが大事な気がします。
そうすればここ一番の長台詞の威力も跳ね上がるというものでしょう。

旅の道中での何気ないやりとりなどの多くは、
仲間たちが徐々に親密になっていく過程が丁寧に見せられていて、
特にクドさは感じませんでした。無駄があっても目立ちにくく、
逆に味が出たりする場合もある部分だからかもしれません。

そんだけ言うならじゃあお前はどんなのが良かったのかと問われると、
まず本作に関係のあるゲームで例を出すならば、
筆者はゼノギアスのセリフのやり取りが非常に好きでした。
別にこのゲームのセリフなどが特に簡潔にまとまっていたとは記憶していませんし、
思い出が美化されて高評価に繋がっている可能性もあります。
長いようで必要なことだけ書いてあったのかもしれないし、
ボイスが付いていなかったのも良いイメージの理由かもしれません。
自分好みの会話のトーンや状況の流れに、
頭の中で補正されていたりもあるでしょう。
筆者が馬鹿なのもあり、
難しくてよく分からなかった設定があるのは今作と同じです。
長い台詞でもその応酬が特に好きだったゲームとして他には、
タクティクスオウガなども最高に良かったです。

ゼノブレイド3では世界の成り立ちの説明や、
この現象の為にこれがこうなった的な部分において、
もうちょっと筆者のような馬鹿でも分かりすぎるくらい、
丁寧に説明してくれよと感じる部分が結構ありました。
他のシステム同様TIPSという形にして、
見たい人だけ詳細に設定を見られるようにしても良かったですし。
説明してほしい部分が短すぎることも多かった。

最後に、シリーズの過去作品との繋がりについて。
これの濃さについて適切な程度がどこなのかは人によると思います。
過去作をやっていなければ訳が分からない描写が多い作品は賛否が分かれるし、
全くない方がイイと言い切ってしまうのも寂しいでしょう。
あえて未知であった過去作の前後などが垣間見えてしまって、
人によってはガッカリしたりもするかもしれないのです。
今作でシリーズを初めてやって過去作に興味をもったりもするかもしれないし、
逆もあるのかもしれません。
ここだけ何が言いたいのかよく分からない書き方ですが、
ぼやかしつつ分かりやすく書くことが難しかったです。すみません。
ゼノブレイド1や2を先にやった方がいいですか?と問われたら、
人によるので難しいものの、
こだわりがなくて1や2が先でもいいならそっちから先でいい気がします。

まとめ

不満点も多く書いてしまいましたが、
間違いなく情熱をもって作られた良作であると言えます。
ゲーム本編のボリュームに加え、
サブクエスト関連も仲間たちの色々な一面を見られる良いものが多く、
モブたちですらモブなりにキャラを立たせようという意識が感じられます。
BGMも良いものが多かったと思います。

ラスボスよりも強い奴らもフィールドのあちこちに居て、
クリア後のご褒美も、
ここら辺を探索してみてねというエリアもちらほらあります。
各種アイテムの入手状態やクラスの育成状態を引き継いだうえでの、
クリア後の持ち越しニューゲームもあるので、
取り返しのつかない要素などもあまり気にせずに良さそうな感じです。

実装予定のダウンロードコンテンツの追加ストーリーも、
前作ゼノブレイド2のそれが非常に良くできていたことから、
筆者も楽しみにしています。

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