2Dマップ探索型アクションゲーム「TEVI」をクリアまで遊んだのでレビュー。
メトロイドヴァニアとも呼ばれるジャンルのゲームです。
同じ開発会社が手掛けた同ジャンルの作品「Rabi-Ribi」がとても楽しめたので、
本作も期待感高めで発売日買いしました。
PCとNintendo Switchで遊べます。
PSやXBOXでも発売が予定されているようです。
筆者はスイッチ版を遊びました。
TEVIってどんなゲーム?評価や評判、感想など
いくつかの大まかなエリアに分かれて繋がったデカいマップを、
ゲームを進めるにつれて手に入るアイテムなどを駆使し、
徐々に探索範囲を広げて進めていく、
通称メトロイドヴァニアと呼ばれるジャンルのゲーム。
それに加えて本作の特徴として、
綺麗なドットグラフィック、
シューティングゲームのような弾幕避け多めの戦闘シーンがある。
これらは本作の開発会社の別の作品「ラビリビ」とも共通した特徴。
ラビリビと比べるとドット絵の美しさは上がっていると感じる。
BGMはラビリビと同じく良い出来だと思う。
人間や獣人の他、
天使や悪魔にも似た魔械と呼ばれる種族などが生きるアズと呼ばれる大陸で、
娘を溺愛する父親を手伝う、テビィというウサ耳姿の女の子が主人公。
父親の研究の材料集めから物語が始まるが、
段々と話のスケールがデカく重くなっていく。
本作はボイスに力が入っており、
声優に疎い筆者でも聞き覚えのある声優陣が声を担当している。
声優に喋らせる為なのか翻訳もかなりきちんとしており、
外国の開発会社のゲームだが、
テキストの意味はしっかり理解できるようになっている。
アクションゲームとしての爽快感は、
ラビリビをパワーアップさせた感がある。
まず敵を殴った時の気持ちよさは健在で、
遠距離攻撃手段も豊富、
遠近攻撃どちらをメインで使っていくかもプレイヤー次第。
近距離攻撃のコンボはゲームを進めるごとに多彩になっていき、
遠距離攻撃のバリエーションも増えていく。
ボスなどでは一定以上攻撃を浴びせると、
しばらくの間は無防備になるブレイクというシステムがあるので、
雑魚ボス問わず、コンボを叩き込む爽快感がある。
シジルと呼ばれる特殊能力追加アイテムを集め、
決められたコスト内でやりくりするのも楽しく、
未踏破のエリアの探索によって、
シジルのコスト上限や基礎能力が上昇するので、
その点が探索のモチベーションにもなった。
探検の自由度という点では、
現状ラビリビ程ぶっ飛んではいない。
複数のルート選択の自由はちらほらあれど、
おおよそは決められたゲーム進行という感じ。
ただし1回クリアすると自由度の増した進め方が出来るモードはある。
前作同様かなり多くの実績取得や、
クリア後の2周目、
特殊な制限がある追加モードの解禁など、
やり込み要素は豊富。
難易度設定は幅広くあり、
一定以下の難易度で始めれば後から自由に変更可能。
オプション機能が充実していていろいろ細かくいじれる。
キーコンフィグもあり。
不満点や問題点など
前提として、筆者はアクションゲームとして本作を、
熱心に遊んだし楽しめた。
ただ、面白かったが故にぶちまけたい不満点もかなりある。
まずは他の方が書かれているレビューで多かった、
ストーリーが暗い、重いという点について。
前作的作品のラビリビが、可愛い女の子がポカポカどつきあう、
ゆるい雰囲気で大半進むのと比較しての今作の重さというのも、
ユーザーがウッ、とたじろいだ一因かもしれない。
確かにストーリー終盤になるにつれて暗いし重い。
ただ、それだけで難点とはしたくないし、
筆者個人としては話が重いのは全然構わないとも思っている。
今回は重厚なストーリーが描きたいんだという気持ちも伝わってくる。
なので不満があるのはそこではない。
終盤に話の展開がグッと駆け足になって、
それだけなら悪くはないが、
ゲームクリア後にアイツやコイツはどうなった?
などの説明不足な部分が多くスッキリしない点が良くない。
このカタルシスが十分に感じられない展開のせいで、
暗い重いと言って低評価になっているユーザーが多いのではないか。
要するに話がきちんと細部まで描ききれてない。
ラビリビのように追加のコンテンツで補完されるかもしれないが、
それ前提の作りだと良くないだろう。
申し訳程度にしかストーリーが無いことも多いインディーゲームにおいて、
しっかりと話を作ろうとしたが為に目立ってしまった難点かも。
次に、難しい言葉や言い回しが割とある点。
バカの自己紹介を承知で書くけれど、
今まで読んだ記憶もないような熟語もいくつか登場してきたり。
難しい言葉はカッコいいが、
伝わりやすいことの方が大事だと思う。
あとは、フルボイスで声優は豪華だがそれほど人数が多いわけではないので、
同じ声優が数キャラ兼任している(多分)のは仕方がないが、
頑張って異なるキャラで声色変えてるけど気になった場面が時々あった。ダニー、グレッグ、生きてるかぁ?
個人的なことを言わせてもらうなら、
声優がまだ喋っているのに文章を読み終えて先に進めてしまうことは多かったので、
フルボイスが値段設定に大きく影響してくると仮定するなら、
ボイスなしかパートボイスくらいでも良かった。
インディーゲームとしては若干高めだし。
ただ、ボイスが多いことで、
無意識の部分でキャラの魅力がより伝わりやすいのはあったのかもしれない。
アクション面に関してはあまり不満点は無いが、
一方通行の設定の仕方が嫌というか、
乗ると操作で抵抗できずに崩れて落ちていく床が結構多いのが不満点。
アクションに失敗してガタガタ崩れて落ちて、
ぐるっと回って戻ってきてまた同じ場所で失敗してガタガタ……みたいな。
操作が出来ないことでの不自由はあまり面白さを感じないし、
崩れる途中で楽にジャンプ回避できた方が良かった。
ラビリビでは唯一にして最大の不満だった、
終盤エリアの怒涛の高ダメージトゲ床トゲ壁に関しては、
今作もトゲ床エリアはあるものの、
ごり押しも可能でラビリビ程ウンザリはしなかった印象。
最後に、筆者はスイッチ版を遊んだのだが、
初期のデバッグがあまりうまくいっておらず、
実績機能の実装が遅れたり取得状態のセーブが機能していなかったりで、
アプデで治るまでしばらく中断しておくか……みたいなことになったのも残念。
ヨーロッパやオーストラリアのスイッチ版は発売延期したというような事情からも、
PC版以外のドタバタが伝わってくる気がする。
発売日に買って途中までは猿のようにぶっ続けて遊び、
取りあえずクリアして神ゲー判定のレビュー書いたろ!
と思っていた程にアクションは楽しかったのに、
上記の不満点でクリアまでの期間が空き、
レビューの熱が萎んだ次第です。
まとめ
ストーリー展開で不満は有れど、
2Dアクションゲーム、メトロイドヴァニアとしては、
かなり面白く遊べたと言えます。
ただ定価がちょっと他のインディーゲームに比べるとお高め、
アプデでストーリーの補完やシステムの追加などがあるかもしれないことも考えると、
それなりの割引セールを待ってもいいのかもしれないなという感じ。
でも2Dアクションが好きならいずれは買って遊んでほしい作品です。