あー、そろそろレトロなターン制JRPGがやりたくなってきたなぁ、と思っていたところに、以前から欲しいものリストに入れてあった本作、Chained Echoes(チェインドエコーズ)が半額になっていたので、評判の良さもあって、大喜びで購入して遊びました。めっちゃ面白かったです!ということで、評価と感想のレビューを書きました。
Nintendo Switch、PS、XBOX、PCで遊べます。筆者はスイッチで遊びました。
Chained Echoesってどんなゲーム?評価や感想など
ドイツの人が何年もかけてほとんど一人で作ったという、レトロJRPG風のゲームが本作。古き良き日本のRPGという、魅力的な響きでおっさんを釣りはするものの、実際は微妙なゲームも多くある中、このゲームはものすごく楽しめた傑作RPGだと思いました。
グラン・グリモワールと呼ばれる魔法の兵器を巡って繰り広げられる、大きな島の中の国々の争い、輪廻転生が関わる物語、魔法やロボットによる戦闘、見た目が異なる様々な種族、SF風味な単語の数々、などの要素で構成されており、まぁFF6とかゼノギアスとか、そのあたりのスクウェアが素晴らしかった時代を彷彿とさせるゲームです。このゲームの作者は絶対ゼノギアスが大好きで、物語の随所にそれを思わせる演出があります。今の若い方には想像がつかないかもしれませんが、1990年代前半のスーファミ~プレステ初期のあたりくらいまででしょうか、「スクウェアのRPGだから」っていう理由で購入を決断できるような時代があったんです!
ストーリーの出来は、筆者は良いと思います。全ての伏線や謎が回収されたとは思いませんが、クリアした後の満足感は高かったです。翻訳の質も、リリース直後は賛否があったようですが、今現在は幾度目かのアプデで改善されたのか、難解であろう、いわゆるファルシのルシがコクーンでパージ、みたいなゲーム特有の単語の連発も、ちゃんと意味が分かるように翻訳されていると感じました。世界観の作りこみが良くて、続編とかも何本か作れそうなレベル。細かいところだと、トレードアイテムのテキストとかも読むのが面白い。キャラの掘り下げにも一役買ってる。ちなみに上でも述べたゼノギアスをはじめ、90年代くらいの色々なRPGなどのワンシーンを思い出すような描写が結構ありますが、いやな気持にはならず、あぁ、あのゲームがめっちゃ好きで影響受けてるんだな、って思いました。JRPG好きが伝わってくる感じです。
戦闘システムは昔ながらのターン制コマンドバトルで、ボスを倒すと入手できるスキルポイントを使うとステータスが上がっていく方式。なので雑魚的といくら戦ってもレベルは上がりません。このあたりが雑魚敵も結構強いと言われる評判の理由かと思いますが、個人的には戦闘が難しいとは感じませんでした。雑魚を倒すと手に入る素材で武器や防具を作ることでも強くなるし、各地に点在する採掘ポイントから得られるクリスタルで作る、特殊能力のジェムを装備にはめ込むことでも強くなれます。これをサボってただ進むだけだと、難しくなってくると思います。ただし難易度設定の項目もありますので、簡単にもできます。でもまぁ、何も考えずにボタン1個だけ押してればいいゲームがしたいなら、このゲームはやらなくていいでしょう。
スカイアーマーというロボットに乗り込んでの戦闘もあります。こちらは生身のキャラと戦闘方法が微妙に違い、戦闘を繰り返すことで装備の熟練度的なものが上がっていくので、雑魚と戦闘を繰り返すと強くなっていきます。ロボでの戦闘があまり面白くないという意見も見ましたが、まぁ生身の戦闘より大味な感じはするかもしれません。
ゲーム全体の程よいやりこみ要素がおっさん的には楽しめたのも高評価の理由です。チャレンジ達成の数によって報酬が貰えるシステムとか、キャラの特殊能力が増える、職業的な要素が付けられる装飾品的な装備が、世界各地に隠してあって探すのが楽しかったりとか。拠点に人を集めて大きくしたりとか。特殊モンスターを探して倒したりとか。ラスボスより強い敵も居ます。強化引継ぎ高難易度ニューゲームもあります。
プレイ時間は30~40時間くらいはかかると思います。クリア後の強さの敵とかも全部狩るならもっとです。インディーゲームのRPGとしてはかなりのボリュームがありますね。でもストーリーもゲームシステムも面白くて、途中でダレたりはしませんでした。
詳しくないのであまり適当なことは言わないほうがいいかもしれませんが、ほぼ一人で8年とかでこのゲームが出来るなら、大手のメーカーとかが1~2年とかで、このクオリティのゲームをもっといっぱい出してほしい。以前も書いた気がしますが、開発費や時間かかる美麗3DグラフィックのRPGばかり(金や時間がかかるのは他の理由かもですが)要らないなって思いました。FFのピクセルリマスターとかも結構売れてると思うんですけど、FFとかドラクエって名前つけて、リメイクとかリマスターじゃない、ドット絵2D風のRPGをもっと作ってくれないかなぁ。3Dでもいいけど、リベサガくらいに作りこんだ、手抜きじゃないやつ。昔のスクウェアって、90年代の10年で、FF3からFF8まで出してるんだぜ、しかもそれと並行して、サガやら聖剣伝説やら作ってたんだぜ、すげーだろ。FFシリーズの中期は、いい意味で人形劇っぽくもある、ゲームゥウウウ!!って感じのストーリーだったのになぁ。
話が脱線しちゃったけど、ゲームくさいゲームがもっと欲しいなと思うおっさんでした。
不満点や問題点など
よくできたRPGであまり不満もないのですが、いくつか挙げるとするならば……
能力値に関しての説明がメニューから確認できない点がまず一つです。攻撃、魔術、防御、精神、速度といった単語からなんとなく効果は察せますが、それを上げるとどういった影響があるのかが、知りたいと思ったときにメニューとかから見られないんですね。精神は魔法からのダメージを軽減するほかに、回復魔法の効果の上昇にも関わる、とかどっかの町の住人が教えてくれますが、それだけじゃ不親切だと思います。だってそれ忘れたらもう分からなくなりますし。速度は行動の順番に影響するというのは想像できますが、行動できる回数にも影響します。めっちゃ素早い奴はめっちゃ遅い奴より動ける回数が多いです。行動順がタイムラインで表示されていて、厳密にはみんなが1ターンに1回行動、というわけではないのです。各種状態異常や有利な効果(バフ)の詳細な効果も同様で、メニューから調べることが出来ないので分かりにくいです。遊んでいれば気が付くことが出来るレベルのこともありますが、そうじゃない場合もあります。これは明確な不満点です。
以下は不満未満の感想とかです。
仲間の数が多くなります。それ自体は筆者はとても嬉しく、意外な奴が仲間になってくれるワクワク感とかも好きなのですが、割と後半に増える人数がギューッと密集してるのが、もったいなかったと思います。全員の装備を整えようとすると面倒なので、ほぼ使わずに終わっちゃったメンバーもちらほら。
他には、キャラの顔グラフィックのドット絵が野暮ったいとか、モブっぽいとかいうレビューも散見します。まぁ、よく言えば素朴な感じとも思うのですが、JRPG風とするならばもう少しウケのよさそうな感じでもよかった気はします。キービジュアルのイラスト(ソフトのアイコンの絵)は、とーってもカッコいいと思うので、その感じの顔グラフィックだったらウケる層がさらに増えたかもしれませんね。
あとは、後半に少し登場したパズル的な謎解きが、結構難しいと思いました。ある程度時間かけても解けずに、攻略記事見る人も多分いるくらいには難しい。筆者はキャラのビルドとかボスの倒し方で頭を悩ますのは好きですが、パズルがやりたかったらパズルのゲームやるので、RPGでパズルが出てくるのがあまり嬉しくなかったです。
最後にこれは仕方ないことだとも思うのですが、能力付与用のクリスタルを採掘しているときに、採掘ポイント前でセーブ&ロードを繰り返して目当てのものが出るまで粘る、というのが結局は効率がいい点。リセットを繰り替えすのがしんどくなったりしました。それほどシビアな厳選が必要なゲームバランスではないので、やりたくない人はやらずに済むレベルではあります。これ、ドラクエの職業経験値みたいに、戦闘繰り返してポイント貯めて、目的の能力を得るシステムと比べて、どっちも一長一短ありますよね。個人的にはセーブ&ロードのほうが虚無感凄くてきついのはあります。このゲームではほぼないですが、ボスとかでドロップ粘ってリセット繰り返すのとかも割としんどいですね。