イラストで魅力的なキャラクターを描くために、骨や筋肉、人体の描き方は勉強した方がいいの?ということを考える人は多いと思います。結論から言うと、した方がいいです。
ただ、みっちり人体解剖学を勉強し、何から何まで間違いなく覚える必要があるかというと、そうではないと思います。好きなキャラを素敵に描きたい程度のことであれば、「人体のそれっぽさ」を描写できれば十分でしょう。でもそれでも膨大なネットの海を、その都度必要な部位、必要なアングルから見た筋肉や骨の情報を求めてさまようのは疲れます。
それに知識としてそれなりに人体構造を覚えてしまえば、手癖で描くお絵描きも楽しくなるはずですし、ふとした時に手軽に参考にできる本が手元にあると、やっぱりいいなと思いました。
以下は、ネットで名前をよく見る本を私も買ってみて、そのレビュー、評価、感想を書いたものです。
あと、しっかり筋肉描いた絵を探したけど全然なくて、誠にゴメンナサイwww
「スカルプターのための美術解剖学」についてのレビュー、評価
スカルプターとは彫刻家のことです。彫刻家用に、骨、筋肉、脂肪の付き方を絵や写真で表したこの本が、絵描き用にも大変重宝するということで人気の本です。でもお高い。
文章はそれほど多くありませんが、人体をそれらしく見せるためのワンポイントなどはしっかりと文章でも書いてあって、写真と絵の多さと丁度いいバランスです。体のこの部分を目印に描いてあげるといい感じになるよとか、イラストも筋肉が部位ごとに色分けされているうえ、起伏が分かりやすい線が入っているのもいいし、他の本では解りにくそうな、どこから筋肉が伸びてどこについているだとか、そういうのも見やすいです。
実際にイラストを描いていて、あ、ここの肉の付き方はどんな風だったかな……と思ったところを調べやすいのもいいです。ネットで調べるより絶対早い、絵と写真の豊富さがあります。
値段が高い割にはページ数がそんなに多くない(220ページくらい)なので、中身を見ずに買うのは不安になりますが、内容が薄いとは全く感じませんでした。ただ、下でも書きましたが、私は先にソッカを読んでいましたので、それとの噛み合いが良かったのかもしれません。
Xなどで人体の描き方アドバイスみたいなのが結構流れてきますが、大体この本とか、下のソッカの本に書いてあることだなって思うことも多いです。
ただし「迫力のあるポーズ集」みたいな本ではないので、そういうのを求めている人は違う本を探しましょう。
「ソッカの美術解剖学ノート」についてのレビュー、評価
デカくて分厚い。650ページくらいある鈍器になりそうな本です。これもお高い。
文章量がかなり多く、どうしてこの部分はこの形をしているのか?こういう風で理にかなった形がこうだから、みたいなことも書いてあり、それが各部位の構造を覚えるための助けにもなります。人体の成り立ちから理解させるような本で、読み物として面白くもあった本です。
こう描くと女性らしく、こう描くと男性らしくなるよという描き分けについての話や、あとは、骨についての記述はスカルプターよりかなり詳しいと思います。
絵を実際に描きながら、この部位はどんな感じだったかな?と思い出すために参考にする本としては、分厚いうえに文章が多いのであまり向かない気はします。ピンポイントで見たい人体の場所をささっと参考にするには少し手間取るからです。出来ないことはないですが、この点についてはスカルプターの方が使いやすいです。
一冊買うならどっちがいい?
両方お高いので、2冊は買えないよ……という人も多いと思います。近くの図書館などにこの2冊があるなら、試しに読みに行くことが出来るので調べてみてはどうでしょう。私の近所の図書館には両方ありました。借りられてましたが。急がないなら予約して待つなどしましょう。
で、私はソッカの後にスカルプターを買ったのですが、パパッと見る資料として使いやすいのは、スカルプターの方ですね。模写とかして覚えたいとかも、スカルプターの方がいい気がします。ただ、スカルプターを見てすんなり内容が頭に入ってくるのが、ソッカを読んだ後だったから……という感覚も割とあります。でも、ソッカで完全に満足していたら、スカルプターを買おうとも思わなかったわけで、どっちか1冊!っていうならスカルプターかな?という感想です。
スカルプターが欲しくなった理由は、筋肉の作りをこまめに、ささっと絵や写真で確認したかったからです。でも、もうソッカは読む必要がないと思うかというと、そんなことはなく、こっちはこっちで有用なことがいっぱい書いてあります。
ちなみに買ったソッカで、みっちり骨と筋肉を模写とかはしてないです。ひととおり読み終わった後は、ふと思い立った時に気が向いたところを読み返したりしてるだけ。文章読むのは楽しかったけど、模写って面倒だからwww
私のこれらの本の使い方としては、人体の様々な部位を描くときに、ある程度それらしく見えるように参考にする程度です。厳密にはここの筋肉の付き方は現実と違うよね……みたいになっても、別にいいと思って描いてます。ネットで資料を探すより楽になって、絵を描くときの億劫さの要因が1つ無くなりました。それで、繰り返し本を参考にしながら描いた部位は、少しずつ記憶に定着する感じです。
この2冊が手元にある今は、イラスト描くための人体の本とかはもう要らんな……て感覚になるくらいは、満足感があります。値段は高いけど、新品のゲーム1本とか、だらだらスマホゲーに課金するだとか、そういうのと比べてもコスパは悪くないと思います。
あとは最後に注意点として、基本的にこういう本は、本に載っている形を見たまんま描くためのものじゃない(と個人的に思う)ということです。自分が描こうとしたポーズに、本の中の資料を頭の中で微妙に角度、大きさなどを変化させ、反映させて描くというか。考えて描くための本だということです。それをしないならこの2冊は宝の持ち腐れで、だったらいろんなポーズに特化した別の本を買って参考にするか、著作権フリーのポーズ集などを使ってそのまま描いて、顔だけ描きたいキャラに挿げ替えるなどをした方が、見栄えのいい絵が描けると思います。